【増税→ポイント還元】歓迎と不満 皆さんどう感じていますか?
0: 時事通信さん投稿日時2019-10-05(土) 8:26
ポイント還元、歓迎と不満=痛税感、どの程度緩和? -中小小売店〔深層探訪〕
消費税率が1日、10%に引き上げられた。政府は中小の小売店で現金を使わないキャッシュレス決済を選んだ消費者に最大5%のポイントを還元
する制度などを導入し、景気の下支えに躍起となっている。政府の増税対策は消費者の「痛税感」を和らげると期待されるが、ポイント還元については「非常に便利」と歓迎する声が上がる一方、「高齢者は使わない」と制度設計に不満も漏れている。
◇来年6月末まで 徳島市のカフェオーナー、久米川洋平さんは「キャッシュレスは非常に便利。対応レジを(毎年8月のお盆に行われる)阿波おどりの時期に整えた」と話す。高知市で長く店を構える「松岡かまぼこ店」も8月、キャッシュレス決済に対応したレジを導入した。店長の加茂加奈さんは「若い人にもっと来てもらいたいから」と導入理由を説明する。実際に使ってみると、「金額を入力し支払いボタンを押すだけなので思っていたよりも楽だった」という。
ただ、加茂さんは「地元のお年寄り客は(キャッシュレスを)使わない」と課題も指摘する。1日に買い物に来た60代女性は「キャッシュレス決済は種類も方法も多く、高齢なので使いこなせない」と現金で支払った。
秋田市の鮮魚店「安亀商店」はキャッシュレス決済に対応していない。この店で働く安田昭夫さんは、ポイント還元が来年6月末までの時限措置であることを踏まえ、「新たにレジを入れる経費を考えると要らない」と話す。佐賀市内のとんかつ店では、現金で会計を済ませた70代の女性客が「恩恵を受ける人と受けない人がいるのは制度としておかしい」と不満をあらわにした。
日本のキャッシュレス決済比率は2割程度と国際的に低い。政府はポイント還元制度の導入などで景気の下支えを図るとともに、キャッシュレス比率を2025年に4割に引き上げる目標を掲げるが、高齢者の利用拡大は難しい課題だ。また、経済産業省によると、キャッシュレス決済は利用できる店舗数が東京都で7万店以上ある一方、鳥取県や徳島県は3000店未満にとどまるなど、人口比を踏まえても地域的な偏りがある。
◇消費低迷が理由? 政府が増税後の景気対策に懸命なのは、14年4月に消費税率を8%に引き上げた際、駆け込み需要と反動減が激しく、増税後の個人消費に大きな打撃を与えたためだ。これが「政権の命運を懸けた」(政府関係者)とされる2兆円規模の景気対策につながった。
今回は「駆け込み需要の規模は限定的」(大和総研)との見方が多い。麻生太郎財務相は自動車や住宅などの税負担緩和措置なども含め「さまざまな対策をやっている」と強調。「駆け込み需要が見られないから反動減も起きない」と自信をのぞかせる。
一方、駆け込み需要が前回ほど目立たないのは、消費が弱いことも背景にあるとの指摘が出ている。与党からも「増税だから財布のひもが締まるのは間違いない」(自民党ベテラン議員)など、今後は消費が冷え込む懸念が出ている。
米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題など世界経済の下振れリスクは前回の増税時より深刻だ。外需に期待できない状況で内需も落ち込めば、経済が失速し、安倍政権の命取りにもなりかねない。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191005-00000030-jij-pol